祖先訪問の旅④
済州島での手がかりは
夫の祖父のお墓に刻まれている、本籍地のみ。
しかも町名までだから、かなりアバウト。
夫の本籍地などわかればよかったんだけどその書類も見つからなかった。
親族の誰に聞いても、お墓もないし韓国の親族もいないとのこと。
それでも行くだけ行くしかない。
初めての済州島。
息子にとっては初めての海外。初めての関空。
夫は前日から風邪をひいて体調は絶不調。最後までスムーズにいかない。
関空から2時間もかからない済州島は韓国のハワイなんて呼ばれるくらい。
ビーチリゾートもあって沖縄みたいな感じ。
初日はホテル近くの市場まで散歩して
食事も市場の食堂。コムタンスープが激ウマ。
次の日、とりあえずわかっている住所のとこまで行ってみようか
ということで、夫に任せていろいろ調べてもらう。
前日よりはマシとはいえ、まだ風邪も残っていて機嫌も悪い。
それでも私がやるのではなく、夫にやってもらいたかったのでお願いして待つ。
ホテルを探すことにしても何にしても
航空券を取ること以外は私はやらなかった。
夫の祖先だから、夫に動いてもらいたかった。
自分でやった方が早いし
ホテル探しといてねというセリフも10回くらい言ったかもしれない笑
お願いしてもすぐに動いてくれないのが夫。
うん、やる、とは言っても何でも後回しは得意技。
(世のご主人、そういう方多いのでは。。。?)
彼なりの順序、やり方があるし
何事もギリギリでやるのは私は嫌いだけど、夫は平気だし
忍耐。待つ。待つ。
済州島に来ても、お願いしては待つ。
どうやら本籍地住所あたりに、大きな植物園があるからとりあえず行ってみよう
というので、ホテルからタクシーで40分くらいかけて行ってみた。
本当に大きな植物園で鍾乳洞もある。
済州島は火山島なんだな、と知った。
鍾乳洞はわたしが済州島で行きたかったとこなのでうれしい。
竜の通った道の残る、大きな鍾乳洞。
この植物園辺りには海水浴場もあったり
冬でも観光客がちらほらいるような溶岩でできたビーチ。
カフェやレストランも並ぶちょっとおしゃれなところでもあってまさに観光地。
カフェで休憩しながら以前は何もなかっただろうね、なんて話して
さてこれからどうしようか、とカフェをでたら
道の反対側を走るタクシーの運転手が窓をあけてこっちをみていて
目があった。そしたら停まってくれた。
基本済州島では流しのタクシーはいないから呼ぶしかない
と書いてあったんだけど、なぜか目があった笑
この運転手の方がいい人で、日本語の挨拶は知っていて
電話で日本語のできる通訳の人とつなげようとしてくれた。
でもあいにくいない。それならばグーグル先生を、と思っていたら
英語は話せるか?と聞くから、うん、というと
英語の話せる通訳の人と電話でつなげてくれた。
なのでもう流れのままに、と電話の向こうにいるお姉さんに説明する。
この近くにお寺ってある?
と聞いたら
ここから1時間くらいかかるけど、大きく有名なお寺ならあると。
顔も知らないお姉さんに
夫は韓国人でおじいさんがこの島の生まれなんだけど
お墓はないし、住所もここまでしかわからない。
せめてお寺だけでもって思うけど、どう思う?と聞いてしまった笑
そういうことならとお姉さんもここのお寺は大きくて綺麗だしと勧めてくれるし
夫に最終判断を任せたら、行くというから
なんども私とお姉さんと運転手さんと電話を回しながら
お寺に行って私たちのことを待っててもらってホテルまで送ってもらう
という算段をつけた。
移動中は寝ながらも
息子と運転手さんは言葉が通じないながらもとても仲良くなってた笑
着いたお寺は薬泉寺というお寺。
比較的新しいけど、韓国の伝統様式で建てられた綺麗なお寺。
そして大きかった。
お参りをして、3階まで登ってみてたら夫の姿がない。
息子とどこかな?って探しながら戻ってみたら
1階で何やら受付みたいなところで女性にコーヒーを出されと座っている。
要するにお金を払えば家族の健康祈願ができるよといういわゆるセールス。
いつもはそんなん捕まらんのになぜか座っている。
あー、ここももう流れですな、ということで
英語もあまり通じないからGoogle先生に
おじいさんの供養をしたい、ということを伝える。
そうしたら5千円くらいで小さい仏像に名前をかいて供養することができるらしい。
ここでも夫に最終判断を任せてお願いすることに。
あんたらいいことしに来たねみたいに、この女性
まあおばちゃんはとても優しくしてくれた。
息子に蒸しパンみたいなものをくれたり、バナナをくれたりといたせりつくせり。
何の手がかりもなかったけど
とりあえずお寺で形だけでも供養ができてよかったな、と思う。