生卵が良いか?ゆで卵が良いか?
卵はビタミンミネラルも豊富で、アミノ酸スコア100というのも有名なお話。
良質なたんぱく質源ですね。
卵は生でも加熱しても食べられますけども
食べ方によって何か違いがあるかどうか?
生卵をフライパンで焼けば、目玉焼き。透明だった白身が白く固まります。
これは、白身のたんぱく質が「変性」するから。
たんぱく質をつくるは、アミノ酸です。
アミノ酸とアミノ酸がくっつくとペプチド。
たくさんくっつくとポリペプチド。
このポリペプチドがもっと立体的で、複雑な形になってたんぱく質。
この時つながっているアミノ酸の数は数十万個から数百万個というから
アミノ酸という材料で巨大なビルを建てるような感じ。
その形によって
これは筋肉としてのたんぱく質
これは酵素としてのたんぱく質
というように役割が決まる。
どんな形のたんぱく質にするか、という設計図はDNAにあるわけです。
熱による「変性」というのはこのアミノ酸のビルの形を変えてしまうようなもの。
お肉を焼いたら筋肉としてのたんぱく質という構造は変わっちゃうけども
アミノ酸同士のつながりはあるから栄養は変わらない。
とはいえ、形が変わるのは良くないのでは?という感じもしなくはないですが
実は私たちがたんぱく質を食べた時はいつもやっていること。
たんぱく質が胃に入ると、胃酸にさらされます。
この胃酸が、熱による「変性」と同じようなことをする。
胃酸によってたんぱく質の形、ビルがくずれたら
今度は消化酵素のペプシンによってアミノ酸同士のつながりをちょきっと切る。
ペプチドやアミノ酸にまで分解されてやっと吸収できるようになります。
たんぱく質を焼く、というのは消化の一部をしているようなもの
とも言えるわけです。
人間は火を使うようになって食べるものが増えたのは
熱による殺菌だけでなく
たんぱく質を変性させて消化できるようになったから
ということ。
なるほどですねー。
生卵とゆで卵、刺身と焼き魚
たんぱく質を生で食べるか加熱して食べるか
というのは、栄養価的には変わりないけれども
胃酸の分泌の弱い方にとっては加熱した方が吸収しやすいかもってことです。
胃酸をしっかりでているかどうかはたんぱく質消化の要。
そのためにマストなことは、よく噛んで唾液をだすこと。
生で食べるか、加熱するか、はその時々ですけども
しっかりと噛む、というのは消化の基本ですね。
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